地域でのケアに力を入れる熊本県

多様な事業展開で福祉をサポート

熊本県の縁づくり事業

熊本県の縁づくり事業

熊本県が取り組んでいる事業として「地域の縁がわづくり事業」があります。これは地域福祉の志向を目指した取り組みで、地域福祉支援計画の取り組みのひとつでもあります。地域住民が気軽に集まりお互いに支え合う環境づくりを目標としています。施設整備の補助事業として縁がわづくり推進事業を発足し、廃校になった学校や空き店舗を活用した環境整備を進めています。この事業における補助限度額は100万円で、改修費などの対象経費は3分の2まで補助されます。高齢者や障害者、そして子どもなど、対象者を限定せずに誰でも利用できる場所であることを条件に補助を行っています。地域住民へ福祉サービスを提供する事業として、「共生型常設住民交流サロン」「小規模作業所交流サロン」「小規模・多機能福祉ホーム」が想定されていますが、施設の地域展開による福祉サービスの普及や質向上も目指しています。
ただ、実際に多いのは交流の場として機能している共生型常設住民交流サロンで、介護や福祉の提供に関しては別に推進するケースが多いようです。地域の縁がわ事業を機にスタートした事業をより発展させるために、預かり機能を充実させた「ふれあいホーム整備推進事業」や、農業に関わる縁がわ支援として「地域の農縁づくり支援事業」なども展開しています。地域の農縁づくり支援事業は障害者の雇用や地域住民の参加による交流を目指したもので、農業を通して地域共生社会へのアプローチが可能となっています。ふれあいホーム整備推進事業はケアに重点を置いた事業ですが、コーディネーターを配置することによって地域とのつながりを継続・拡大を図ります。

縁がわ事業は拡大している

2015年の段階で熊本県に存在する地域の縁がわは500か所を越えています。補助を受けているのは全体の3割ほどですが、補助を受けていない残りの7割に関しても熊本県は縁がわと認定しています。このように各団体に拠点としての役割を与えることで、縁がわ活動の取り組みは活性化していきます。また、2014年には縁がわの役割をさらに意義のあるものとするために、地域の縁がわ5つ星プロジェクトが始まりました。これは介護予防や生活支援などの取り組みにおいて、これまでよりもさらに活動の充実を図るための取り組みです。5つ星を具体的に紹介すると、1つめが見守り、2つめが配食・会食サービス、3つめが買い物支援、4つめが生涯現役で過ごせる社会を支えるための健康づくり、5つめが学びに関する縁がわ活動、となっています。

従来のサービスとどう違うのか?

  • 「多機能性」という「専門性」が必要

    共生型サービスを導入する場合、介護と障害福祉双方の知識やスキルが求められます。そのため、それぞれのニーズに対応する多機能性が求められます。そこで必要なのは、運営側が「サービスを提供するだけの存在」ではなく、「利用者と共に環境を作っていく存在」としての意識を持つことです。そのため、今までとは異なる専門性が求められます。

  • 先駆けとなった富山型デイサービス

    共生型サービスのモデルとも言えるのが富山型デイサービスです。1993年に富山県で設立したとある民間のデイサービスが起源で、高齢者や障害者などの枠組みで利用者を制限せず、ケアを必要とする人たちを幅広く受け入れました。今では多くの富山型デイサービスが県内に存在しており、同様の形態を持つ施設の普及が全国的に求められています。

介護と福祉に興味がある人必見!

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